カルティエの人気コレクション「サントス」の魅力とは?

  • 投稿日:2025年10月25日

こんにちは、中野ブロードウェイの時計店「れんず」です。


△ サントス!

「世界初の腕時計」であるとされ、今も昔も根強い人気を誇るコレクションです。
今回はカルティエの中核を担う「サントス」について、ご紹介いたします。

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サントス ドゥ カルティエ


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四角いケースとブレスレットが一体化したようなデザインが目を引くサントス。
正式名称は「サントス ドゥ カルティエ」といいますが、モデルによっては「サントス-デュモン」な場合もあります。
このふたつの違いについては後ほど。


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カルティエウォッチの特徴である、ローマ数字と青いスピネルがついたリューズ。
そしてベゼルやブレスレットに施されたビスも特徴的です。
鏡面仕上げのベゼルは高級感に溢れ、丸みを帯びた四角いケースは現代的。
優れたバランス感覚のもとに設計されたサントスは、どんな服装にも合わせやすいです。

定番のシルバー文字盤だけでなく、グリーンやブルー等、カラーグラデーション文字盤も人気です。

サントスは替えストラップが付属

現在のサントスは、替えのストラップが付属しています。
当然、どんなストラップが付属するかはモデルによって異なりますよ。


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オプションとして購入するわけではなく付属品の一部なので、1本買うだけで2つの楽しみ方ができるというわけです。

しかも、ブレスレット/ストラップはワンタッチで着け外しができるようになっています。便利!
その日の気分や季節に合わせて、パチ→スチャと換装できますよ。
ちなみにこれは、「クイックスイッチ」と呼びます。

サイズ調整も簡単

2018年以降に登場したサントスには、「スマートリンク」が備わっています。
これはブレスレットのサイズ調整を簡単に行える機能です。


△ コマの上の方に押せそうなところがありますよね。そこです

ブレスレットの内側、端の方にボタンがあり、これを押すとピンが飛び出す仕組みになっています。
飛び出すといっても完全に抜け切らないようになっているので、「飛んだピンを探さなきゃ!」とはなりませんのでご安心を。
戻すときはピンをぐっと押し込めばOKです。
工具なしで簡単にサイズ調整が出来てしまうので、とっても便利で最高です。
個人的には、もう全ブランドのブレスレットをこれにしてほしいくらい!
このスマートリンクはカルティエが特許を取っているので、叶わぬ願いなんですけれども。
サントスだけの特権です。

サントスデュモン


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さて、ではこの「サントス-デュモン」とは何か。

「サントス」も「デュモン」も、このモデルが生まれる理由となった人物の名前から名づけられています。

ブラジル人飛行士、アルベルト・サントス-デュモン
彼はフランス・パリにて活動する最中、友人のルイ・カルティエに「欲しい時計がある」と相談します。

当時は懐中時計が主流だったため、飛行中にいちいち懐から時計を取り出して飛行時間を確認するのは不便だという彼の話を聞いたルイ・カルティエ。
飛行中、操縦桿から手を放さなくても時間を確認できるような時計を」と生み出されたのが、他でもない「サントス」でした。
サントスは、世界で初めて、日常的に使えるよう設計して生み出された腕時計なのです。

この最初のサントスが生まれたのが1904年。
特注品だったサントスを「サントス-デュモン」と命名し、市販したのが1911年。

そして時は流れ、2018年。
大型アップデートを加えた「サントス ドゥ カルティエ」として登場。
翌年の2019年には、始まりのサントスをベースとしたクラシカルな「サントス-デュモン」を改めて発表しました。

何が違う?


△ サントス ドゥ カルティエ WSSA0029/サントス-デュモンWSSA0046

同じ要素を持ちながら、異なる姿をしているふたつのサントス。

デュモンの方は、より細くてエレガントなインデックスを持っていますね。
また、リューズガードの有無や、秒針の有無。
デュモンは全てのモデルが革ストラップで展開されていたり、リューズの形が違ったり、鏡面ベゼルの形も若干違っていたり……。

より現代に合わせて使いやすく改良されたのがサントス ドゥ カルティエ。
よりクラシカルで上品に要素を整えられたのがサントス-デュモン。
というわけです。

ちなみに、サントス-デュモンの裏蓋にはサントス-デュモンさんのサインが入っています。

このように、「S D」というイニシャルだけのパターンと、「Santos Dumont」まで刻印されているパターンがあります。

サントスは「世界初の腕時計」か?

世界初の腕時計」に関しては諸説あり、カルティエのサントスこそがそうだという人もいれば、別のブランド、別の時計を指してそう言う人もいます。

突然ですが、アメリア・イアハート効果というものをご存じですか。
これは「条件を限定していけばどんなものでも1位になれてしまう効果」のことです。
どういうことかといいますと。
例えば「一番好きな食べ物って何?」と聞かれた際に、「肉料理の中で」「甘いもの限定で」「コンビニにあるもの限定で」みたいな感じで条件を絞った場合、答えは変わってしまいますよね。

サントスが世界初の腕時計であるといわれているのも、ある意味この効果によるものだといえます。
どこからを腕時計としてカウントするのか。何をもって世界初とするのか。
条件によって答えが変わってしまうので、「世界初の腕時計」が複数存在してしまうんですね。

サントスは「実用的な腕時計としてデザインされ、市販された男性用腕時計」の中では、世界初です。

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1810年には、天才・ブレゲによって「クイーンオブネイプルズ」という名の時計が作られていました。
こちらはその名の通り、ナポリの女王の為に作られたものです。
外見に関するスケッチ等は残っていないようですが、ブレスレットが備わっており、腕に付けて使用することを想定して作られています。

1880年頃には、ジラールペルゴによって軍用腕時計が量産されました。
こちらは手首に巻く為のストラップが備わっており、外見もかなり「腕時計」です。
市販はされず、この時生産された時計も訓練用としての活躍のみに終わったようですが、2000本も生産されたといいます。

サントスが生まれたのは1904年。
世界初の腕時計と呼ぶには最早遅いとすら感じるかもしれません。

しかしながら、腕時計がまだまだ一般的ではない時代に登場したサントスが魅力的だったからこそ、現在までこうして機械式時計の文化は続いているともいえます。
100年以上経った今でも同じデザインを受け継ぎ、カルティエの旗艦モデルとして高い人気を集めるサントス。
サントスが世界で最初の腕時計であってもそうでなくても、素晴らしい時計であることは間違いのない事実ですよね。

参考:https://www.breguet.com/ja/%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%B2%20%E3%83%A1%E3%82%BE%E3%83%B3/1801-1823/shoushounizheyongsurukotowomudetoshitazuichunowanshijinoota

https://museum.seiko.co.jp/knowledge/relation_10/

カルティエは知名度も抜群!


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カルティエは腕時計だけでなく、ジュエリーを扱うブランドとしても知られています。
プレゼントや婚約指輪としてカルティエのジュエリーを夢見る女性も少なくありません。
そのため、カルティエは機械式時計に詳しくない人でも名前を知っている可能性が高いブランドなのです。

また、最近では各国の有名人をアンバサダーに起用していることもあり、インターネットを中心にますます注目を集めています。
日本人で例を挙げると、俳優の賀来賢人さんやKing Gnuの常田大希さん。

ジュエリーコレクションの「トリニティ」100周年を記念して常田さんが書き下ろしたチェロ組曲「祝祭」は、非常に話題になりました。
カルティエが重ねてきた長い歴史と、今後も広がっていくカルティエの世界を感じさせるような、力強くて壮大な4分半。載せておきます。

YouTube player

サントスの派生モデル

1904年に誕生して以来、現在も愛されているサントス。
しっかり解説したサントス-デュモン以外にも複数の派生モデルも登場しています。

サントス オクタゴン

こちらはいきなりサントスの根幹を揺るがすようなフォルムの「サントス オクタゴン」。
名前の通り、そしてご覧の通り、オクタゴン(八角形)のベゼルを持っています。
サントス、タンク、パンテールとスクエアケースの多いカルティエですが、サントスでラウンドケースに挑戦したことがあるのですね。

1980年~90年の僅か10年ほどしか生産されなかったため、流通量が少ないモデルです。

サントス ガルベ(カレ)


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こちらは「サントス ガルベカレ)」。
1987年から2002年頃まで生産が続いたロングセラーモデルです。
「ガルベ」は美しい膨らみ、曲線を指すフランス語で、ケースが柔らかなカーブを描いていることから名付けられています。


△ サントスガルベ W20011C4

ロングセラーモデルだけあってモデルチェンジを何度か行っているガルベ。
明確に定義付けるための資料がないので何とも断定はしづらいのですが、このガルベの初期モデルを「サントス カレ」と呼んでいたようです。


△ サントスカレ 81036288

偶然当店に入荷したことがあるので写真を載せてみましたが、見た目は一緒です。
サントス-デュモンのように真四角のベゼルが目を引きますね。

本来もっとシャープに切り出されたようなブレスレットを持つカレですが、こちらのモデルでは交換されていることもあり、かなりガルベに見えます。
ただ、ケースが湾曲していませんよね。ここ、大事なポイントです。

また、カルティエの修理明細書には基本的にモデル名が載るのでそこをチェック。
すると、カレに対しては「Santos carree」。
ガルベに対しては「Curved santos de cartier」として表記されていました。
どちらも愛称ではなく、正式な名称であったことが分かりますね。

2005年にはXLサイズが登場

29mm、32mmと小柄なサイズで展開されていたガルベ。
サントス100周年を記念して登場した「サントス100」の陰に隠れる形でゆっくりフェードアウトしていきました。

ただ、2005年にXLサイズとして、ややサイズアップした35mmのガルベが登場しています。
こちらは2016年頃まで生産されており、長く長く愛されたモデルであることが伝わってきます。

サントス100


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サントスの100周年を記念して、2004年に登場した「サントス100」。
当時、大きく厚みのある時計が流行っていたこともあり、こちらは44.2×35.6mm、41.2×54.3mmとしっかり大きめなサイズで展開されました。
それまでは薄く小柄なモデルばかりだったサントスコレクションに一石を投じ、100年目にして新たな風を吹かせたモデルです。

その大きさ、厚みを活かして、クロノグラフ機能を搭載したモデルも登場しました。


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サントス ドゥモアゼル


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こちらも、サントス100と同じ2004年に登場したモデルです。
マドモアゼルっぽい響きのこの名前は、サントス-デュモン氏の愛機「ドゥモアゼル」に由来しています。
カルティエウォッチをよくご存じの方は、「めっちゃパンテールっぽい」と思ったかもしれません。


△ ドゥモアゼル W25077X9/パンテール WGPN0006

確かに似ています。
すぐわかる違いとしては、ドゥモアゼルはベゼルのビスがなく、フラットな形状をしています。
対して、パンテールのベゼルは唇のようにふっくらとしていますね。
また、リューズのカボションの形も若干異なっています。

実は1983年から展開されていたパンテールのウォッチコレクション。
ドゥモアゼルの登場と入れ替わるような形で生産終了となり、そしてまた入れ替わる形で2017年頃にパンテールが復活。
ドゥモアゼルは生産終了となりました。
きっとこのふたつは立ち位置が同じだったのでしょう……。

「サントス ドゥモアゼル」はパンテールコレクションが引き継ぎ、現在も続いています。



△ 弊社スタッフの私物ガルベ

着用者の性別、年代、場所を問わないサントス。
時代を超えて愛され続け、世界中の人々が相棒として気に入っているコレクションです。

ロレックスやオメガよりも入手しやすく、知名度もあり、上品で合わせやすい。
そんな隙のないサントスコレクションが気になった方は、いつでも当店で試着してみてください!
なるべく在庫を切らさないように努めつつ、お待ちしております。

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この記事の監修者

青木
青木
好きなブランド: 全般。あえてあげるならブレゲです。
1987年生まれ、埼玉県出身
日本時計輸入協会認定 ウオッチコーディネーター(CWC)
業界歴13年
20歳でアパレル業界へ入り、服飾販売員として勤務をしたのち、かねてより興味のあったブランド業界へ。
時計だけでなくジュエリーやバッグ等、ハイブランド商品をオールジャンルで取扱う某社にて経験を積んでいく過程で時計の奥深さに惹かれ、時計部門の責任者となる。
れんず入社後、店舗販売スタッフとして従事したのち店長を経て、2023年11月から統括責任者として就任。
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