2024年最新作 パテックフィリップ”Cubitus キュビタス”を発表

  • 投稿日:2024年10月18日

パテックフィリップと言えば自他ともに認める時計界の頂点に君臨するブランドです。
国内外のXユーザーからは発表前にも関わらず、その噂は既にポストされておりその真意は如何に??という状況が続いていました。

2024年10月にSNSなどでリークされた内容そのままに、最新のコレクションとなる”CUBITUS(キュビタス)”が発表されましたので、その全貌を紹介させて頂きます。

最新モデルのCUBITUS(キュビタスとは)

スクエアー型のケースを採用した斬新なデザインです!
スクエアーと言っても真四角ではなく8角形であるため、パテックフィリップの数あるラインナップの中でも最も人気の高いコレクションと言っても良いノーチラスを彷彿とさせるデザインです。

画像引用:https://www.patek.com/ja/%e3%83%9b%e3%83%bc%e3%83%a0

パテックフィリップ社の公式ページ内では、キュビタスについて下記の様に説明されています。

パテック フィリップは、ポリッシュ仕上げと縦サテン仕上げのコントラストによって強調された、モダンで独自性溢れるデザインのまったく新しいステンレススチール・モデルにより、《カジュアル・シック》なスタイルを新たに創作しました。

ラグジュアリースポーツウォッチ=ラグスポと呼んでしまいそうですが、”カジュアル・シック”という新たなカテゴリーにカテゴライズされているようです。

真新しいスクエアーケースにも見えますが、ベゼルやブレスレットのデザイン、ケースを開閉するためのビスが取付られた側面のヒンジ部分など、先に述べた通りノーチラスのスタイルによく似ています。

ダイヤルのデザインもノーチラスと同様、凹凸の加工が施された水平エンボスパターンを採用、太めの長短針とインデックスは視認性が良さそうです。

長短針とデイト表示部以外のインデックスには夜光が塗布されているので、暗所での視認性も確保されています。

ノーチラス誕生30周年を迎え2006年に発表されたモデルからは、スクリューバック式の裏蓋を採用した3ピースケースを採用していましたが、このキュビタスでは2ピース構造の様に見えます。
当初の3700/1(ジャンボ)や3800/1ではケースのサイドに張り出したヒンジ部のビスを外し、文字盤側からケースを開閉する2ピース構造を採用していました。
現物をまだ見た事が無いため、定かではありませんが裏蓋が単独で外せるような仕様ではない様に思えます。

ムーブメントはノーチラス3針モデルの最終仕様とされる5711/1A-010の最終仕様にも搭載された名機Cal.324SCをベースとし、ハック機能の追加や日付変更の禁止時間帯などを無くし利便性が格段に向上したCal.26-330SCを搭載しています。21金製のローターには文字盤と同じく水平パターンの装飾が施されています。

因みにこちらの画像は、Cal.26-330SCを搭載する5711/1A-010ですが、水平パターンの装飾は施されていません。

ブレスレットのバックルは両サイドのボタンをプッシュし開閉する仕様ですが、いわゆるカバーを被せるようなフリップロックと言われる仕様ではなくなり、ブレスレットからバックルまで一体感のある仕様となりました。
サイドボタンが備わるバックル部とブレスレット部分のつなぎ目部に隙間があるため、12時側と6時側で0.5ミリ程度ずつ簡単に伸縮調整できるシステムが追加されていると思われます。涼しい時期や朝は縮めておき、汗をかく時期や手首が浮腫む午後には広げるといった使い方ができるのは便利です。

バックル内側のデザインも大幅に改良が施されており、カラトラバ十字のデザインが施された留め具が非常に高級感が有りますね。

こちらはノーチラス5711/1Aのバックル側からのショットです。

キュビタスの方が凝った作りとなり、より一層の高級感を感じますね。

2024年10月発表の3モデル

最新作の発表では、シンプルな3針モデルが2型、ビッグデイトにムーンフェイズを搭載するモデルを1型の3モデルが発表されています。

5821/1A-001

一番人気となりそうなステンレスモデルで、文字盤カラーにオリーブ・グリーンソレイユを採用しています。
ノーチラスを想わせるモデルの第1弾とすればブラック・ブルーでは??と思いますが、まさかのグリーンでした。

【スペック】※公式ホームページより
自動巻ムーブメント:キャリバー 26‑330 S C。 日付を窓表示。 センターセコンド。
文字盤 : オリーブグリーン・ソレイユ、水平エンボス・パターン、ホワイト夜光付ホワイトゴールド植字アワーマーカー。
ケース : ステンレススチール仕様。 直径(10~4時位置):45 mm。 厚さ:8.3 mm。 3気圧防水。 ねじ込み式リュウズ。 サファイヤクリスタル・バック。
ブレスレット : ステンレススチール仕様。 特許取得のロック可能な調整システム付折り畳み式バックル。
定価 : 6,530,000円(消費税込み) 2024年10月18日現在

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ステンレスとローズゴールドのコンビ仕様のケースとブレスレット、ダイヤルにはブルー・ソレイユを採用。

ヘアラインとポリッシュの2パターンの仕上げを巧みに組み合わせており、ラグジュアリーな雰囲気を存分に感じられます。

【スペック】※公式ホームページより
自動巻ムーブメント : キャリバー 26‑330 S C。 日付を窓表示。 センターセコンド。
文字盤 : オリーブグリーン・ソレイユ、水平エンボス・パターン、ホワイト夜光付ホワイトゴールド植字アワーマーカー。
ケース : ステンレススチール仕様。 直径(10~4時位置):45 mm。 厚さ:8.3 mm。 3気圧防水。 ねじ込み式リュウズ。 サファイヤクリスタル・バック。
ブレスレット : ステンレススチール仕様。 特許取得のロック可能な調整システム付折り畳み式バックル。
定価 : 9,700,000円(消費税込み) 2024年10月18日現在

5822P-001

ひときわ目を惹くのは12時側のアウトサイズデイト。このデイト表示は瞬時に日付が切り替わる仕様です。またムーンフェイズに指針式の曜日表示とスモールセコンドを備えてます。
通称プチコンと呼ばれるノーチラス5712のフェイスによく似ていますが、新たなコレクションであるキュビタスでは、新たに開発されたムーブメントを搭載しています。パワーリザーブ表示は廃され、月齢周りに有ったデイト表示は12時側に移動、デイト表示に変わり月齢の外周には指針式の曜日表示に置き換えられています。

素材はプラチナのみで、文字盤にはコンビモデルと同じくブルー・ソレイユが採用されています。

パテックフィリップではプラチナを採用するモデルの証として、ケースにダイヤモンドがセットされますが、キュービックのプラチナモデルでは初のバゲットカットのダイヤモンドが採用されています。渾身の一作という事なのでしょう!!

ムーブメントはマイクロローターを搭載し、自動巻きでありながら厚さ4.76ミリと薄型のCal.240PS系をベースに新開発されたCal.240 PS CI J LUを搭載しています。こちらのムーブメントの22金製ローターにも水平パターンの装飾が施されています。

プラチナモデルはブレスレット仕様ではなく、ネイビーカラーのキャンバス柄のコンポジットストラップが採用されています。バックルはサイドのプッシュボタンを押して開閉する観音開き式です。バックルのデザインはブレスレットモデルとは異なっており、ノーチラスのレザーストラップモデルのデザインに似ている様に思えます。

【スペック】※公式ホームページより
自動巻ムーブメント : キャリバー 240 PS CI J LU。 2つの表示窓による大型日付表示。 曜日を指針表示。 ムーンフェイズ。 スモールセコンド。
文字盤 : ブルー・ソレイユ、水平エンボス・パターン、ホワイト夜光付ホワイトゴールド・バトン型植字アワーマーカー。
ケース : プラチナ仕様。 直径(10~4時位置):45 mm。 厚さ:9.6 mm。 3気圧防水。 ねじ込み式リュウズ。 サファイヤクリスタル・バック。
バンド : コンポジット素材、ファブリック柄、カラーはネイビーブルー。 プラチナ製キュビタス折り畳み式バックル。
定価 : 13,990,000円(消費税込み) 2024年10月18日現在

キュビタスのネーミングの由来とは?

公式ページなどでは、そのモデルのネーミングの由来とかが書かれている事が有りますが、キュビタスにはその様な記述は見られませんでした。

そこで私見としては、CUBE=キューブ?CUBIC=キュービック?CUBIT=キュビット?のいずれかとNAUTILUS(ノーチラス)の最後の2文字であるUSを組み合わせた造語なのか??と思い単語の意味を調べてみました。
キューブとは立方体を意味し、キュービックとはキューブの形容詞です。
キュビタスとはラテン語で肘を意味し、キュビットとは古代メソポタピアとエジプトで用いられた長さの単位だそうで、キュビタスの肘に由来し肘一本分の約50cm程度の長さだそうです。

肘を意味するキュビタスというのも何とも…。どうもしっくりとくる答えに出会えませんでしたので、なにやらモヤっとした気分でこのブログを〆る事になりそうです。

二次流通市場での相場は?

正規店でもなかなか容易に購入する事が出来なくなっているパテックフィリップですので、当店に入荷すればまず間違いなくプレミアプライスとなるのでしょうが、早く現物をこの手にしてみたいものです。

そこでやはり気になるのは市場でだいたい幾ら位で出てくるのか?
10月19日時点で既にクロノ24に出品されているようですが、海外のショップは基本交渉ありきですから全て価格応談でとなっていますね。
いったい幾らだったら売って頂けるのか…!?

では、日本ではどうなんでしょうかね。
やはり定価からの開きが大きいのはやはりオリーブグリーンのステンレスで、定価の倍までの1,000万超~1,300万位が目安といったところですか??5711/1Aの中古相場が現状1,500万前後ですから、それと同等まであるか少し下か?と思うんですけど、皆さまはどう思います??
出始め当初はご祝儀相場もあるのでかなり高い設定という事もあるでしょうが、ある程度の数が流通し始めれば価格は落ち着きを見せると思います。
欲しいと思っている方はしばらくは様子見が良いと思いますよ。

ちなみに日本の正規店では、国際保証書は販売店で2年間保管した後に購入者に引き渡すという施策を執っていますから、日本の正規品が二次市場で流通するというのはしばらくの間は難しいのではないかと思います。
国際保証書が無ければ、買取も販売価格も格段に低くなりますし、新しいモデルで保証書が無いとなると実際に販売するのも難しいですからね。

最後に

個人的な印象ですが、縦長のレクタンギュラーケースは人気があるモデルが多数ありますが、スクエアケースとなると大ヒットモデルというのは数少ないですよね。
ややクセが強く感じますし、服に合わせにくいと言った印象もあります。幾つか持っている中でバリエーションとしてスクエアも欲しいけど無難なラウンドを選びがちというのが現実ですよね。
スクエアケースを採用し支持を得た時計といえば、今も人気のタグホイヤーのモナコ、かつて一世を風靡したといえばロジェデュブイのゴールデンスクエア、今人気の高まりを見せているブルガリのオクトフィニッシモ、四角とはいえませんがカルティエのタンクMCやサントスなどが挙げられます。

パテックフィリップでも多くのスクエアケースを採用するコレクションが数多く展開されてきましたが、ゴンドーロといったドレスウォッチ系のモデルが中心であり、熱い支持を得たモデルというのは多くありません。そんなスクエアケースを最新作に採用するという事に少々驚きを感じていますが、厚みがない薄型のケース、手に馴染易いブレスレットの様ですので装着感は良さそうな印象ですね。

非常に好みが分かれそうなデザインですが、この3型は今までには無い人気のモデルとなるのは間違いないでしょう。
その人気にあやかって他ブランドでもスクエアーケースの新作が誕生される事が予想されますね。
これからのスクエアケースの時計の発展が楽しみでもありますね。

この記事の監修者

れんず編集部
れんず編集部
株式会社れんずにて、ブランド時計に関する記事や紹介文を作成しています。
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