こんにちは、中野ブロードウェイの時計店「れんず」です。
ロレックスを世間に広めるために生まれ、現在ではロレックスとも違った冒険的なお時計を生み出しているチューダー。
その中でも一番人気が高く、多彩なバリエーションを持つコレクションが「ブラックベイ」です。
そんなブラックベイ、「ブラックベイ ○○」みたいな派生形がとても多く、現在チューダーの公式ホームページに載っているだけでも、なんと10種類ものブラックベイが展開されているようです。
ブラックベイ、シリーズ多すぎ! 何が違うの?という方の為、今回はブラックベイファミリーの違い・特徴について、白黒つけていきましょう。
ブラックベイ
まず、「ブラックベイ」。
その他には何もつかない、一番シンプルなブラックベイです。
チューダーはロレックスを広めるために生まれたブランドなので、ロレックスウォッチに似たモデルがよく出ていました。
性能も見た目も似ている廉価版を出して世間に知ってもらうことで、「ふ~ん、あそこの会社の時計、いいじゃん」と評判を上げるのが当初の目的です。
ブラックベイもそういったモデルのひとつで、ロレックスの「サブマリーナー」がベースとなって作られたモデルとなっております。
1954年に登場した最初期のモデルは、今使われているスノーフレーク針(イカ針)ではなくベンツ針が用いられていることもあって、かなりのそっくりさんでした。
というか名前も「チューダー オイスタープリンス サブマリーナー」だったので、見た感じは本当に一緒です。

△ 画像はチューダー公式サイトより。

△こちらはサブマリーナー 124060。似てますよね。

2025年1月現在の現行品ふたつを並べてみましょう。
ベゼルのデザインやインデックスの形など、共通点こそありますが、昔ほどは似ていないですよね。
チューダーがひとつのブランドとして個性を獲得した、何よりの証だと思います。
何度もアップデートを重ねていきましたが、チューダーとしての「サブマリーナー」は1999年に生産終了。
「ブラックベイ」として名前を改め、再び登場したのは2012年のことです。
かつての「チューダー サブマリーナー」を蘇らせたモデルだ!として注目を集め、現在ではチューダーの看板ともいえる存在となりました。
以前は「ヘリテージ ブラックベイ」と呼ばれていましたが、現在では「ブラックベイ」のみの呼称となっております。
なお、このスタンダードなブラックベイは、ケースサイズが全て41mmとなっています。
また、ダイバーズウォッチを起源に持つため、回転式ベゼルを備えています。
ブラックベイ クロノ
これは分かりやすいですね!
ブラックベイにクロノグラフ機能がついたものがこのシリーズに分類されます。
スタンダードなブラックベイと同じく、41mmケースで統一されています。
クロノグラフモデルなので、ベゼルにはタキメーター目盛りが刻まれており、回転はしません。
やっぱりクロノグラフが搭載されると、途端に顔つきが男前になる気がしますね。
ブラックベイ GMT
こちらも同じく、ブラックベイ+機能のシリーズ。
GMT機能が搭載されたことで、2つのタイムゾーンの時刻を表示させることが可能となりました。
ケースサイズは41mm。
回転式のベゼルは昼夜を2色で分けられています。
赤青、赤黒のラインアップが存在しており、どちらも人気です。
いつかロレックスのGMTマスターIIのように、青黒や赤茶のベゼルを備えたモデルも出るんですかね。
ちなみに、GMT針の先もスノーフレークになっています。
ブラックベイ プロ
この辺りから、ちょっとややこしくなってきます。
こちらのブラックベイプロは、ノーマルブラックベイより少しサイズダウンした39mmのケースで展開されています。
GMT針を備えつつも、ベゼルは固定式。24時間目盛りが刻まれています。
偶数フェチにはたまらない光景ですね。
公式ホームページの紹介文が「冒険家たちのブラックベイ」とされているところからも、ロレックスの「エクスプローラー」をモチーフとしていることが窺えます。
ロレックスの初代エクスプローラーIIを感じさせながらも、チューダーらしさは持ったまま。
これは優れたバランス感覚の持ち主だと思う人もいれば、もっともっとチューダーらしさ全開で来てほしかったと思う人もいたことでしょうね。
ブラックベイONE (31/36/39/41)
こちらは「ブラックベイ 31」「ブラックベイ 36」「ブラックベイ 39」「ブラックベイ 41」。
……という名前で呼ばれていたのですが、2025年、これらに「ブラックベイ ONE」という新たな名前が与えられました。
これらは全て、同じデザインで、サイズ違いを持つシリーズです。
固定式のスムースベゼルと5列リンクブレスレットを備え、男女どちらでも使いやすいデザインのNEWブラックベイが加わりました。
結構上品さがアップしたような仕上がりですよね。
ちなみに、ステンレスとイエローゴールドを素材にしているモデルは、モデル名に「S&G」がくっつきます。
ベゼルやインデックスにダイヤモンドがセットされているモデルもあって、今までのブラックベイとは違った方向性であることが窺えます。
2023年からこの4サイズで展開されていますが、それ以前は32/36/41の3サイズで展開していたようです。

△ ブラックベイ 32 M79580-0001
かつての32ミリケースを持ったブラックベイです。
より細やかに、より多くの人に選択肢を届ける、そういうシリーズなのかなと思いました。
ブラックベイ 54(フィフティーフォー)

△ ブラックベイ フィフティフォー M79000N-0002
54mmケースかな?と思わせるこのモデル名。
なぜ「54」か、お分かりでしょうか。
スタンダードなブラックベイを紹介した際、実は答えが出ていました。
1954年、これはブラックベイの原点となるモデルが登場した年です。
ここから取ったんですね。
ケースサイズは37mmと、「ブラックベイ」と比べるとほんのり小さめ。
シンプルな「ブラックベイ」を着けたいけどちょっと大きい!と思っていた方にばっちり刺さる、程よい大きさかと思います。
若干ケースの厚さも薄くなっているため、装着感も向上しています。
そして、3列リンクブレスレットの他に、ラバーストラップも選択肢に入っています。
回転式ベゼルが備わっていますが、デザインは「ブラックベイ」とは少し違っていますね。
秒針の先もダイヤ型から丸に変わっています。
これも初代ブラックベイ(サブマリーナー)のデザインに寄せた結果ですね。
「ブラックベイ」はロレックスのサブマリーナーに寄せたモデルでしたが、このフィフティーフォーはブラックベイの原点に立ち返るモデルとなります。
ブラックベイ 58(フィフティーエイト)

△ ブラックベイ フィフティーエイト M79030N-0001
58mmケースかな? もちろん違います。
1958年、「ビッグクラウン」という、チューダー初の200m防水を備えたダイバーズウォッチが発表されました。
この年をモデル名としています。
ケースサイズは39mm。
「フィフティーフォー」よりは大きく、「ブラックベイ」よりは小さいですね。
「プロ」と同じサイズです。
チューダーはかゆいところに直接手を生やしているかの如く、色々なサイズ展開を行っているようです。
(フィフティーエイトの後にフィフティフォーが登場しているので、どんどん小型化のブームに乗っている、というのが正しい見方かもしれません)
フィフティーエイトはバリエーションも豊富で、ツートンカラーの回転式ベゼルとGMT機能を備えたモデルや、素材にブロンズやシルバーを使用したモデル等、幅広い展開を行う人気シリーズです。
スタンダードなブラックベイと何が違うのかと言われれば、やはりケースサイズ。
それだけ?と思うかもしれませんが、41mmと39mmは、たった2mmの差ではありますが、腕に乗せると結構違います。
また、ケースサイズが違うので、厚さやラグ幅、そして載せているムーブメントの種類も異なっています。
とはいえ、同じ70時間のパワーリザーブ、200m防水、COSCによるクロノメーター認定は変わりません。
あとは、ラインアップされる色が違っています。
素人質問なのですが、これってなんで全部出さないんですかね。
色はこっちでサイズは39mmが良いんだけどな~!みたいなことになっているのでは?と思うのですが、そんなことはないんでしょうか。
ブラックベイとフィフティーエイト、統合しちゃってサイズ違いあります!みたいな展開にした方がすっきりしそうなもんですが、それだと余計なコストになっちゃうんでしょうか。ぜひ知りたいです。
ちなみに、れんずではケースサイズを商品名に記載することがあるため、サイズとモデル名の混同を避ける目的で「フィフティーエイト」「フィフティーフォー」とカタカナで表記しています。
ブラックベイ ブロンズ
ブロンズ、つまりケースが銅で出来ています!!
明快ですね。
ケースサイズは43mmと大ぶりで、ブラックベイシリーズの中では最大となっております。
インデックスも少し異なっており、3/6/9はアラビアインデックスを採用しています。
同じ時間を共にすることで唯一無二のエイジングを楽しむことができます。
ブラックベイ P01
4時位置にリューズを備える、一風変わったブラックベイです。
ケースサイズは42mmと、「ブロンズ」に次ぐ大きさ。
現在は2019年に登場したこの1モデルのみがラインアップされており、ここから膨らむ可能性も、消えてしまう可能性も秘めたシリーズです。
ベゼルをがっちり固定する「エンドリンク」というパーツが特徴的ですね。
1960年後半、アメリカ海軍に提出したモデルを元に作られており、チューダーはこのモデルを「プロトタイプ」と表現しています。
モデル名の「P01」は、「最初のプロトタイプ」であることを表した名前なんだそうですよ。
ブラックベイ 68

△ ブラックベイ 68 M7943A1A0NU-0001 画像は公式サイトから。
2025年の4月、ブラックベイファミリーに新入りが登場しました。
ブラックベイの大事な特徴である「スノーフレーク針」。
この針が誕生した1968年から名付けたものであり、ケースサイズは43mm!
ブロンズ以来の大型モデルですね。
待ち望んでいた方も多かったことでしょう。
存在感のある相棒として、今後も新作が追加されていくと思われます。
31mmから43mmまで揃うブラックベイ
ONE(31/36/39/41)以外は、全てシリーズごとにサイズが分けられているチューダー・ブラックベイ。
表にしてみました。

①31(31mm)
②32(32mm)
③36(36mm)
④フィフティフォー(37mm)
⑤プロ(39mm)
⑥フィフティーエイト(39mm)
⑦39(39mm)
⑧ブラックベイ(41mm)
⑨41(41mm)
⑩クロノ(41mm)
⑪GMT(41mm)
⑫P01(42mm)
⑬ブロンズ(43mm)
※2025年に新登場した「ブラックベイ 68」は43mmです!
このようになっております。
本当にいっぱいありますね。
METAS認定を受けたモデルもあります
METASによる「マスタークロノメーター」の称号は、その検査の厳しさから、長らくオメガのみが取得していました。
しかし、2021年にチューダーもマスタークロノメーターを取得したことで、大きく話題となりました。
ブラックベイ、セラミック、フィフティーエイト、GMT、そしてペラゴス FXD GMTという別のコレクションにおいて、高精度で高い耐磁性能を持ったお時計がラインアップされています。
マスタークロノメーター認定って?という方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
派生モデルも出ています
今回はベースとなる10種類のブラックベイをご紹介いたしましたが、もちろんこれだけで終わるチューダーではありません。
派生モデルも多く存在しており、豊かなバリエーションで私達を楽しませてくれます。
10種類に分かれているとはいえ、「ブラックベイ」という1コレクションでこんなにも広い幅。
流石ですよね。
こちらは「ブラックベイ」の派生モデル、「ブラックベイ セラミック」。
ケースがセラミックで出来ています。

△ ブラックベイ フィフティーエイト ブロンズ M79012M-0001
名前の通り、フィフティーエイトのブロンズバージョンです。
ブロンズを素材とする場合、3/6/9のインデックスがアラビアインデックスになるようですね。
この他にも、2024年のウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブでは、フィフティーエイトにGMT機能が搭載されたモデルが登場しました。
まだまだ色々な組み合わせが生まれそうなチューダーのブラックベイ。
今後の展開も楽しみですね。
NY
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この記事の監修者

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好きなブランド: 全般。あえてあげるならブレゲです。
1987年生まれ、埼玉県出身
日本時計輸入協会認定 ウオッチコーディネーター(CWC)
業界歴13年
20歳でアパレル業界へ入り、服飾販売員として勤務をしたのち、かねてより興味のあったブランド業界へ。
時計だけでなくジュエリーやバッグ等、ハイブランド商品をオールジャンルで取扱う某社にて経験を積んでいく過程で時計の奥深さに惹かれ、時計部門の責任者となる。
れんず入社後、店舗販売スタッフとして従事したのち店長を経て、2023年11月から統括責任者として就任。
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