ヴァシュロンコンスタンタン オーヴァーシーズ 4500Vと4520Vはどこが変わったのかを新旧比較検証
2016年に発表された現行モデルのオーヴァーシーズ。そのオーヴァーシーズが2023年にアップデートが行われており、本ブログでは改良点について纏めてみました。
オーヴァーシーズとは
ヴァシュロンコンスタンタンのオーヴァーシーズと言えば、初代モデルは1996年に誕生されブランドアイコニックなコレクションとして、世界の時計ファンから人気を集めるラグジュアリースポーツウォッチです。
オーヴァーシーズ誕生の源
ヴァシュロンコンスタンタンの創業222周年を迎えた1977年、ヨルグ・イゼック氏の手によりデザインされた”Ref.222”が誕生します。
クオーツ式腕時計が誕生し機械式時計業界が瀕死の状態だったと言われる1970年代。その70年代には今でも人気の高いロイヤルオークやノーチラスなどの名作が誕生、その中にはこの222も含まれており後にブランドを代表するコレクションとなるオーヴァーシーズが誕生する源流と言われています。
画像引用元:https://www.webchronos.net/features/72588/
2022年に復刻されたヒストリークシリーズ222 Ref.4200H/222J-B935で222の存在を知った方も多い事と思います。

222が誕生した7年後にはRef.333を発表。
画像引用元:https://www.webchronos.net/features/72588/
1989年にはフィディアスを発表。
画像引用元:https://www.webchronos.net/features/72588/
これら先代モデルの流れを汲み1996年に初代オーヴァーシーズを発表、2004年に第2世代モデル、2016年には現行機種となる第3世代モデルを発表しており、初代から現行モデルまで3回に渡り大幅なモデルチェンジとアップデートが行われています。
第1世代 1996年発表
ブランドの象徴でもあるマルタ十字をモチーフとしたベゼルがオーヴァーシーズの特徴で、ブレスレットはフィディアスの影響が色濃く残っているデザインです。
第2世代 2004年発表
ケースは第1世代のデザインを踏襲していますが、ブレスレットにもマルタ十字のデザインが取り入れられました。
第3世代 2016年発表
マルタ十字モチーフのベゼルが8角から6角へと変更されました。ミドルケースがやや丸みを帯びた仕上げへと変更され、モダンな印象へと変貌を遂げました。
ケース側面からのデザインですが、一番左の第1世代と中央の第2世代ではケース表面からケースバックにかけて直線的なシェイプでしたが、一番右の第3世代ではケース表面とサイドを繋ぐエッジの仕上げ処理にデザイン変更があり、ケース下部にかけて細くなるという変更がなされています。リュウズガードが無くなったのも第3世代の特徴の一つです。
オーヴァーシーズにはシンプルな3針モデルはもちろんのこと、クロノグラフやデュアルタイム、永久カレンダーやトゥールビヨンなどのコンプリケーションモデル、そしてレディースモデルなど幅広いラインナップで展開されています。
現行モデルの仕様変更について
オーヴァーシーズ誕生までの流れは前述の通りですが、本ブログのテーマである現行モデルの2023年に行われた仕様変更について説明させて頂きます。
単品を手にした時や写真を見ただけでは変わった点の判別がし難く、どこがどう違うのか気がつかない方も多いと思いますので、仕様変更部に焦点を当てた写真を見比べて頂きたく思います。
今回のブログでは、ブラックダイヤルが新型、ブルーダイヤルが旧型になります。
ケースの厚みの変更
これは写真からでは判断が出来ませんが、新型では10.69ミリ、旧型は11ミリと0.31ミリ薄型化されています。
それぞれを手にしただけでその薄さを実感する事は難しいと思いますが、新旧の実物を2つ手にして見比べてみれば解る程度です。
下の写真を見る限りミドルケースには大差ないようですが、ベゼルが薄くなった感がありますね。
たった約0.3ミリだけですが薄くなったのは、ワイシャツの袖口への収まりの良さなどの恩恵を受ける事が出来るかもしれませんね。
画像引用:https://www.reddit.com/r/VacheronConstantin/comments/1aseyrx/4520v_vs_4500v_with_photos/?rdt=34575
ちなみに、サイドからの仕様違いで分かる点と言えば、時計を正面から見るとケースとブレスレットを繋ぐラグ部分のネジが左側にあり、ブレスレットのネジが新旧で逆に移動している事が解ります。
ただこれは仕様変更ではないんです!イージーチェンジャブルシステムを採用するブレスレットはケースから簡単に着脱が出来るようになっており、上下を逆に着けてあげればケースと同じ側にブレスレットのネジも揃うようになるんです!
こんな感じで、どちら側に付けても間違いという事ではないんですが、やはりネジ穴は同じサイドに揃っている方が、やっぱりスマートだし綺麗ですよね。細かいところですが凄く大事です!
※上下を逆に付ける際の注意点。もしお手持ちのお時計のネジの方向が揃っていない場合ですが、サイズ調整を行ない12時と6時でコマ数が異なっている場合は、上下逆に付けると装着感が大きく損なわれます。私の様に『できればネジは揃っている方が良い』という方はコマの位置を変えてあげる必要がございます。当店でお求め頂いている場合、無償で調整しますので、お気軽にご依頼ください!
※ここでブレスレット調整の豆知識を一つ!
装着感と見やすさを向上させるには、12時側と6時側のコマ数は6時側を少し短くしてあげるです!
なぜ?時計を手首にはめ手を持ち上げ時計を自分に向けた際、6時側が短ければ文字盤が自分に向く様になりますが、12時側が短い場合は手首のくるぶし側に引っ張られ文字盤が顔から遠ざかるようになるためやや見難くなります。6時側を短くすれば時計がちょうど手首の真上に乗る感じです。
同じ個数で調整したいという方もいらっしゃいますが、極端に短くなければ少し6時側を短くする方がおすすめです。この辺はお好み次第ですけどね。
仕様によって上下で外せるコマ数に限りがあるため、上記の通りといかない場合もございますのでご注意を。
ブレスレットの変更
パッと見ただけでは解らないですが、実はブレスレットにもアップデートが行われています。装着感や見た目のスタイリッシュさの向上が目的だと思います。
画像引用:https://www.reddit.com/r/VacheronConstantin/comments/1aseyrx/4520v_vs_4500v_with_photos/?rdt=34575
写真をご覧頂ければわかる通り旧型に比べ新型の方がバックル側に向けてよりテーパードがかかっている事が解ります。テーパードとは先細るとかの意味を持っており、ケース取り付け部側からバックル側に向けて細くなっていますよね。新旧ではバックル部に2ミリの違いがある事がお判りいただけます。
バックル部の幅が細くなったことにより、装着感はより一層向上しており、手を床に着いた時などブレスレットが窮屈さや煩わしさを感じないなどのメリットがあると思います。
バックル形状の変更
ブレスレットの変更に伴ってか、バックルの形状も変更が行われています。上側は新型で下側が旧型となります。この変更は特に装着感などに影響は無い事と思います。
プッシュ式のバックルは長年に渡り使っていると埃や汗汚れなどで動きが渋くなったり、金属疲労などで破損する事もあるので耐久性やメンテナンス性が向上されていると良いですね。
ちなみに埃や汗汚れなどは歯ブラシなどで軽く水洗いしてあげるだけでも改善される事もあるので、春夏など汗をかくシーズンが過ぎたら行ってあげるのも良いですね!
ムーブメントのローターの変更
ムーブメントは新旧共にCal..5100と同じでパワーリザーブなどに変更はございませんが、ローターの一部に変更がございます。
上側が新型で、下側が旧型です。写真を見て解る通り、18金製のローターの中央部より部分が、旧型ではくり貫かれており空洞が有りますが、新型には空洞がありません。この変更の理由は定かではありませんが、よりローターを重くすることにより回転効率を向上させゼンマイの巻き上げ効率を図るなどが目的なのでしょうか?
イージーチェンジャブルシステムの変更
カルティエやIWCなどリシュモングループ系ブランドでは、ケースとブレスレットを簡単に着脱するシステムが採用されていますが、ヴァシュロンコンスタンタンのオーヴァーシーズでも第3世代から採用されています。
気分やシーン、季節によってブレスレットとストラップを気軽に付け替えられるのは便利なシステムですが、使いにくくては意味がありません!
マイナーチェンジ後のオーヴァーシーズでも採用されていますが、慣れても慣れなくても少し微妙に思っている点があり、その仕様が変更となっています。
写真の上側が新型で下側が旧型ですが、旧型では突起部分に爪を引っかけて外す形状でしたが、新型では突起を押す事で外せる形状へと変化しています。
爪を引っかける仕様の場合だと突起が奥まった部分にあったため引っかけにくい、女性でもご使用いただけるサイズだとネイルを大切にする女性にはやや難ありの仕様だったと思います。
引っ掛けるではなく押すだけで良い仕様に変更されたため操作性が向上したように感じます。
付属のストラップとバックルの違い、ストラップの互換性
パッと見た際の見た目では仕様に違いは無いように思いますが、実は大きな改善が施されています。
イージーチェンジャブルを採用するオーヴァーシーズには交換用として、ラバーと革製(旧型ではアリゲーター製、新型ではカーフ製)の2種類のストラップと観音開き式のDバックルが標準で付属します。
旧型では定革と遊革のある側の切り込み部に付いた金具をバックル側の穴にはめ込んで回転させ引っかけるタイプでしたが、新型ではバックル側の横に伸びるステンレスの棒にストラップの金具を引っかけて留める仕様となっています。
旧型は金具の取り付け難さと、取り付けた時にグラ付きがあり強度にやや不安を感じる仕様でしたが、この変更で取り付けが容易になった事と強度が増したように感じます。
そこで疑問に生じるのが
”旧型から新型に買い替えて旧型を持っていた時に買ったストラップが手元にあり、その旧型ストラップは新型に使えるのか?”
という事ですが、答えはノーです。
ケース側の接合部は互換性があり新型のケースに旧ストラップを取り付ける事はできますが、新型バックルに旧ストラップを取り付ける事ができません。
その理由は前述の通り、バックル側の幅は20ミリから18ミリへと幅が細く変更されている事も理由ですが、そもそもバックル側の仕様が新旧で全く異なるためです。
画像引用:https://www.reddit.com/r/VacheronConstantin/comments/1aseyrx/4520v_vs_4500v_with_photos/?rdt=34575
もし別に購入した旧型用のストラップを新型でも使用したい場合は、旧型のバックルを手放さなければ流用する事は可能ですよ。
しかし旧型のバックルを手元に残してご売却(買い取り)される場合、お買取価格は少し減額となる可能性もあるのでご注意ください。
最後に
オーヴァーシーズの新旧モデルの仕様相違についてのブログいかがでしたでしょうか。仕様変更がなされてからずいぶんと日が経ってしまいましたが、やっとの事で新型も入荷し改良点に焦点を当てた写真をいくつかご用意できたのでブログでご紹介させて頂きました。
今回のアップデートで行われたオーヴァーシーズのイージーチェンジャブルシステムの仕様変更は、旧型はやや強度に不安が有った造りだったと感じていたので、新型で行われた改良はとっても良いと思います!
この何年かのノーチラスやロイヤルオークの異常なまでの高騰に伴い、オーヴァーシーズも高騰を続けていましたが少し落ち着きをみせています。今は買い頃と言っても良いかもしれませんね。新作やマイナーチェンジ後の新型の出始めは高くなるというのが業界あるあるですが、少し経てば価格も落ち着き新旧で大きな価格差は無いと思われます。
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この記事の監修者

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好きなブランド: 全般。あえてあげるならブレゲです。
1987年生まれ、埼玉県出身
日本時計輸入協会認定 ウオッチコーディネーター(CWC)
業界歴13年
20歳でアパレル業界へ入り、服飾販売員として勤務をしたのち、かねてより興味のあったブランド業界へ。
時計だけでなくジュエリーやバッグ等、ハイブランド商品をオールジャンルで取扱う某社にて経験を積んでいく過程で時計の奥深さに惹かれ、時計部門の責任者となる。
れんず入社後、店舗販売スタッフとして従事したのち店長を経て、2023年11月から統括責任者として就任。
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