個性的で存在感のあるブランド時計を求めて、パネライとウブロで悩んでいる方もいるのではないでしょうか。どちらも高級な時計であるため、買うなら納得の一本を選びたいですよね。
この記事では、幅広いブランド時計を取り扱う時計専門店の「れんず」が、パネライとウブロの選び方について解説します。それぞれのコンセプトや時計の魅力に触れながら、おすすめモデルも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
パネライ/ウブロってどんなブランド?
時計を選ぶ際、その見た目や価格ばかりに目が行ってしまいがちです。しかし、ブランドが持つストーリーやコンセプトに触れることで、時計の魅力をより深く理解できます。
パネライ
・1860年にイタリア・フィレンツェで創業した高級時計ブランド。
・分厚くて大きいケースやリュウズプロテクター、サンドイッチ文字盤などが特徴で、ブランドのアイコンになっている。
・そのルーツは、イタリア海軍からの要請で1930年代に開発が始まった、特殊潜水部隊用の時計にある。
・当時は軍事機密に指定されていたが、イタリア海軍との契約終了後に一般向けに発売されて「デカ厚ブーム」の火つけ役となった。
・現在シリーズ名になっている「ルミノール」や「ラジオミール」も、パネライが自社開発して潜水時計に使用した蛍光塗料の名前に由来する。
ウブロ
・1979年に創業したスイスの高級時計ブランドで、ブランドコンセプトは「The art of fusion(異なる素材やアイデアの融合)」
・ウブロ(HUBLOT)はフランス語で「舷窓」(船の側面にある採光用の小窓)を意味し、特徴的なビスつきの円形ベゼルがこれを表している。
・2004年に、セラミックとステンレスを巧みに組み合わせた『ビッグ・バン』を発表したことで、一気に世界的な時計ブランドへと成長を遂げた。
・公式アンバサダーを超一流のアスリートが務め、各界の著名人も愛用していることから「成功者の時計」として認知されている。
時計のプロが解説する「パネライ/ウブロの選び方」
ここからはパネライとウブロの、具体的な選び方を解説します。直感で選ぶことも時には大切ですが、自分が「時計に何を求めているか」を考えて選ぶことで、末永く愛用できる時計を見つけられるでしょう。
デザインで選ぶ
パネライもウブロも個性的なデザインですが、それぞれの印象は対照的です。
パネライのデザインの特徴は、やはりミリタリーウォッチとしての「機能美」でしょう。視認性を高めるため、文字盤にはほとんど装飾がなく、シンプルなバーインデックスとアラビア数字が採用されています。
一方ウブロは多くのモデルでスケルトンダイヤルが採用されており、ムーブメントの複雑な構造が時計のデザインに取り入れられています。アーティストとのコラボモデルなども多く、デザインの幅が広いことも特徴です。
デザインに「シンプルさ」や「見やすさ」を求める方にはパネライを、「豪華さ」や「複雑さ」を求める方にはウブロの時計をおすすめします。
パネライのおすすめモデル
ラジオミール ブラックシール ロゴ PAM00754
パネライが開発した最初の潜水時計『ラジオミール』を受け継ぐモデルです。大きなクッション型ケースや、発光性を高めるサンドイッチ文字盤など、パネライらしいデザイン・機能を備えています。
リューズプロテクターがついていないことで、全体がよりシンプルに仕上がっているため、スーツにも私服にも合わせやすいでしょう。イタリア海軍の特殊潜水部隊「ブラックシール」の名を文字盤に冠した、ラジオミールのなかでも特別なモデルです。
【スペック詳細】
型番:PAM00754
素材:ポリッシュスティール
ケース径:45mm
ムーブメント:手巻き P.6000
パワーリザーブ:72時間
防水性:100m
重量:114g
ウブロのおすすめモデル
ビッグ・バン ウニコ インテグレーテッド チタニウム セラミック 441.NM.1170.RX
ウブロが自社製造するムーブメント「ウニコ」を搭載したビッグ・バンです。文字盤も裏ぶたもスケルトン仕様のため、ウニコの複雑で美しい構造で腕元を飾りながら、その動きも楽しめることがポイントです。
黒のセラミックベゼルとシルバーのチタンケースという素材と色の対比により、全体が立体的でクールな印象に。ラバーバンドを採用しているため、ラフな格好にも合わせやすいデザインです。
【スペック詳細】
型番:421.NM.1170.RX
素材:チタン/ブラックセラミック
ケース径:44mm
ムーブメント:自動巻き HUB1280 ウニコ
パワーリザーブ:72時間
防水性:100m
重量:121g
機能で選ぶ
自分に合った機能の時計を選ぶことで、長く快適に使い続けられるでしょう。
パネライの防水性能の高さ・頑丈さは折り紙つきで、海や川での使用も全く問題になりません。むしろ普段使いには過剰なスペックとさえ言えますが、パネライの歴史を知っていれば、そこにもロマンを感じられるのではないでしょうか。
ウブロの機能で特筆すべきは「メカ10」や「MP-11」といった自社ムーブメンで、超ロングパワーリザーブを実現している点です。パネライにも駆動時間の長いモデルはありますが、ウブロはスケルトンダイヤルによりその特徴的な機構を楽しめることが魅力です。
パネライのおすすめモデル
ルミノール マリーナPAM01312
PAM01312はスモールセコンドとデイト表示を備えた実用的なモデルで、パネライのなかでも特に人気があります。パネライのアイデンティティとも呼べるリューズプロテクターを備えており、レバーロックを外すことで簡単に時刻の調整が可能です。
防水性能は300mと高く、海や川での使用も全く問題ありません。防水性能が高い潜水時計には、回転式ベゼルがついていることが一般的です。しかし、パネライのルミノールシリーズには回転式ベゼルはついておらず、シンプルで洗練された印象に仕上がっています。
【スペック詳細】
型番:PAM01312
素材:サテンスティール
ケース径:44mm
ムーブメント:自動巻き P.9010
パワーリザーブ:72時間
防水性:300m
重量:146g
ウブロのおすすめモデル
ビッグ・バン メカ-10 ブラックマジック スケルトン 414.CI.1123.RX
ウブロが自社開発したキャリバー「メカ10」を搭載し、約10日間の超ロングパワーリザーブを誇ります。1週間何もせずに放置していても使えるというのは便利ですよね。
ほとんどの時計は、駆動時間の残量を針で表示します。しかし、メカ10では数字で残日数を表示し、残量が3日を切ると、3時位置の開口部に赤いマークが現れます。便利な機能であるうえ、デザインとしても遊び心があり、時計をより魅力的にしています。
【スペック詳細】
型番:414.CI.1123.RX
素材:ブラックセラミック/チタン
ケース径:45mm
ムーブメント:手巻き HUB1201
パワーリザーブ:10日間
防水性:100m
重量:125g
サイズで選ぶ
時計のサイズは腕元の印象を大きく左右します。男性でいうと一般的には40 ~41mmが
中間サイズとされており、39mm以下は小さめサイズ、42mm以上は大きめサイズと言われます。
1点注意が必要なのは、ケース径だけでサイズを判断しないことです。ケース径にリューズは含まれないため、パネライのように大きなリューズプロテクターがついていれば、時計はそのぶん大きく見えます。また、ケースの形状によっても大きさの印象は変わります。
大きくて存在感のある時計が好きな方には、パネライがおすすめです。44~45mmのラインアップが豊富で、ほかのブランドには少ない47mmの時計も販売しています。
普通~小さめの時計が良ければ、ウブロのクラシック・フュージョンがおすすめです。3針タイプでは、38mmや33mmといった比較的小さいサイズが、モデルごとに展開されています。
パネライのおすすめモデル
ルミノール マリーナ PAM00372
「ルミノール1950」と呼ばれるシリーズです。使用される蛍光塗料がラジオミールからルミノールへと移行した、1950年代のパネライの姿を再現しています。
ケース径が47mmあり、パネライのなかでも特に大きいモデルです。リューズプロテクターとクッション型のケースも相まって、腕元でかなりの存在感を放つでしょう。
サファイアクリスタルが採用された裏蓋はスケルトン仕様で、パネライの自社キャリバー「P.3000」の動きを楽しめます。
【スペック詳細】
型番:PAM00372
素材:ステンレス/SS
ケース径:47mm
ムーブメント:手巻き P.3000
パワーリザーブ:72時間
防水性:100m
重量:150g
ウブロのおすすめモデル
クラシック フュージョン チタニウム ブルー 565.NX.7170.LR
ウブロが最初に発売した時計「クラシック」を受け継ぐのが、「クラシック・フュージョン」です。シンプルなダイヤルデザインで、ウブロの特徴であるビスつきの円形ベゼルが際立ちます。
こちらのモデルはケース径が38mmと控えめで、なめらかな流線形のケースとラグがスリムな印象を与えます。手首が細い人でも、違和感なく着けられるでしょう。チタン素材のため重量が65gと非常に軽く、長時間の着用で疲れにくいこともポイントです。
【スペック詳細】
型番:565.NX.7170.RX
素材:チタン
ケース径:38mm
ムーブメント:自動巻き HUB1110
パワーリザーブ:42時間
防水性:50m
重量:65g
【まとめ】伝統のパネライ、革新のウブロ
潜水部隊用のミリタリーウォッチとしての伝統を持つパネライと、異素材の融合により革新的な商品を生み出すウブロ。
それぞれが異なる魅力を持っているため、デザインや機能など「何を重視するか」を改めて考えながら、時計を選ぶ必要があります。それぞれのブランドストーリーに、自分の性格や考え方を重ねて選んでみるのも良いでしょう。
記事の内容を参考に、ぜひお気に入りの一本を見つけてくださいね。