1960年に初代モデルが誕生し、いまや世界に誇れるメイドインジャパンブランドであるグランドセイコー。
はじめはセイコーの最上位コレクションとして展開されてきたグランドセイコーですが、更なるグローバルブランド化・ラグジュアリー展開を加速させるため、セイコーから独立。
独立した「グランドセイコー」という高級志向ブランドとして生まれ変わりました。
現在では国内外問わず人気の高い、国際的ブランドとして名を馳せています。
そんなグランドセイコーで皆様が気になるのは、やはり文字盤の美しさではないでしょうか！
今回は、文字盤のデザインに注目していきたいと思います。
スノーフレーク・雪白
海外ではSnowflake（スノーフレーク）、日本では雪白（ゆきしろ）と呼ばれるデザインです。
その名の通り雪面をさせる純白の文字盤が特徴的で、国内外問わず人気の高い文字盤です。
ヘリテージコレクション スプリングドライブ パワーリザーブ マスターショップ限定 ホワイト SBGA211
どこか柔らかさを感じる「雪白」。
その秘密は、文字盤の表面が和紙のようにざらざらとしていること。
ただつるんとした無機質な白ではなく、積もった雪のように質感を感じさせるのが、この文字盤のすごいところです。
画像：グランドセイコー 雪白
また、「雪白」ダイヤルを持ちながら、針などのデザインが違う、別の「雪白」も存在します。
スプリングドライブ パワーリザーブ AJHH特別限定モデル 390本限定 ホワイト SBGA421 / 9R65-0DL0
こちらは国内の正規販売店による協会「AJHH」の設立15周年を祝う、限定モデルです。
更に！ なんと雪白は白いダイヤルだけではありません。
真っ白な雪面の上に広がる空の青を反射した、「雪白ブルー」も展開があります。
エレガンスコレクション マスターショップ限定 SBGA407 / 9R65-0CP0
青雪白、雪白ブルーの名で親しまれており、こちらも人気のモデルです。
エボリューション 9 コレクション AJHH特別限定モデル 255本限定 SLGA017 / 9RA2-0AE0
素敵ですね！
白樺
グランドセイコースタジオ雫石の付近は日本有数の白樺（しらかば）の群生地として有名で、その白樺を特徴的なダイヤルで表現しています。
エボリューション 9 コレクション メカニカル ハイビート 36000 シルバー SLGH005 / 9SA5-00C0
この縦に入った特徴的な模様。
神秘的な白樺林の荘厳さを見事に表したこの「白樺」は、落ち着いた印象と神々しさが高く評価され、ジュネーブウォッチグランプリで受賞したこともあります。
エボリューション9コレクション 手巻きメカニカルハイビート 36000 80hours 世界80本限定 SLGW002
2024年の新作モデルです！
こちらは世界で80本（国内では50本）限定の希少なモデル。
インデックスにも18Kピンクゴールドを使用していることを示す「SD（＝Special dial）マーク」が置かれています。
エボリューション9コレクション 手巻きメカニカルハイビート 36000 80hours SLGW003
白樺林を文字盤で表現している点は同じですが、従来の白樺ダイヤルとは違って、横向きのパターンとなっています。
GS公式サイトによると、いずれも2024年の8月に発売予定のようです。
ジャパンシーズンズ・二十四節気
四季を細かく24に分けた「二十四節気」をコンセプトとする、人気シリーズです。
「春分」や「夏至」などはよく耳にしますよね。
グランドセイコー ヘリテージコレクション 二十四節気シリーズ 春分・花筏 SBGA443/9R65-0DG0
非常に人気の高い「花筏（はないかだ）」。
こちらのモデルでその言葉を知った方も多いのではないでしょうか。
「春分」が過ぎ、散った桜が川の水面に浮かぶ様子をいかだに見立てた春の季語です。
桜を思わせる柔らかなピンク色と、川の流れに揺られる花びらを感じさせる模様の文字盤が特徴です。
グランドセイコー エレガンスコレクション スプリングドライブ GMT 寒露・良夜 SBGE271 / 9R66-0AL0
10月頃にあたる「寒露」をテーマとしており、月が明るく輝く「良夜」をイメージしてデザインされています。
鰯雲を思わせる模様の黒文字盤を見ていると、なんだかひんやりとした夜風を感じるような気さえしますね。
グランドセイコー ヘリテージコレクション 二十四節気シリーズ 大雪・深雪 グレー SBGA445 / 9R65-0DG0
こちらは「大雪（たいせつ）」が過ぎ、雪が降り積もった様子を表した「深雪」をモチーフとしたモデルです。
ちなみに深雪は、みゆき、しんせつ、どちらの読み方でも同じ意味を持ちます。
花筏、良夜と同じ模様を持つモデルでありながら、グレーの文字盤がどこまでも広がる銀世界や重い雪雲を想起させます。
グランドセイコー エレガンスコレクション メカニカル GMT 小暑 ブルー SBGJ249 / 9S86-00N0
「小暑」は7月頃、梅雨が明けて厚さが本格的になってくる頃を指します。
太陽の光を受けてきらきらと輝く水面を、白南風（しらはえ）と呼ばれる夏の季節風が吹き抜けていく。
そんな情景と共に、さざ波のような模様と淡いブルーが印象的なモデルです。
メカニカル ハイビート 立夏/薫風 マスターショップ限定 グリーン SBGH271 / 9S85-01H0
「立夏」はおよそ5月の始まりから中ごろまでを指す言葉です。
花の彩りよりも緑のざわめきが目立つようになってくるこの季節に吹く「薫風」をモチーフとしてデザインされました。
ざらざらとしたグリーン文字盤は、木洩れ日のようにも、木々を揺らす風そのものにも感じられます。
ヘリテージコレクション 二十四節気シリーズ 秋分・月夜 ブルー SBGH273 / 9S85-01H0
「秋分」はよく聞く言葉ですね。
GSロゴの金色とダークブルーの文字盤によって、秋の月夜が巧みに表現されています。
ジャパンシーズンズ スペシャルエディション 霜降 SBGA427 / 9R65-0CD0
ジャパンシーズンズ スペシャルエディション 霜降 SBGA429G / 9R65-0CD0
しもふりと読みたくなってしまいますが、ここでは「霜降（そうこう）」と読みます。
真っ直ぐな模様のこの文字盤は、京都の嵐山にある竹林からイメージを持ってきたとされています。
白っぽい方が光、黒っぽい方が影を表しており、ペアウォッチとして選んでも素敵だと思います。
その他の季節モチーフ
エレガンスコレクション メカニカル 季春（きしゅん） ブルー SBGW283 / 9S64-00Z0
「季春」とは、春の終わりごろを指す言葉。
春といったらやはり花筏のようなピンク色を想像してしまいがちですが、こちらは爽やかな青が印象的なモデルに仕上がっています。
エレガンスコレクション メカニカル 杪夏（びょうか） グリーン SBGW285
夏の終わりから秋にかけてを「杪夏（びょうか）」と呼びます。
深い緑に変わっていく植物たちの色を文字盤に落とし込んだような上品さがあります。
こちらのモデルについては別で記事を書いたことがありますので、きゅんときた方はこちらもどうぞ！
ちなみに、「季春」「杪夏」は季節の言葉ではありますが、二十四節気とは別物ですのでご注意くださいね。
エレガンスコレクション メカニカルハイビートGMT SBGJ273/9S86-00N0
こちらは、漆塗りの床に紅葉が映り込んで見える「床紅葉」という景色を表現したモデルです。
金色のGMT針もよいアクセントになっていますね。
岩手山
エレガンスコレクション 1500本限定 ブルー SBGK005 / 9S63-00B0
歌人・石川啄木が一首詠んだことでも知られる、岩手山の山肌をイメージした、ざらざらとしたダイヤルとなっております。
なんとなく「いわてやま」と読んでいましたが、「いわてさん」が正しい読み方のようです。
御影石
エボリューション 9 コレクション メカニカル ハイビート 36000 和光時計塔90周年記念 50本限定モデル ”御影石” シャンパン SLGH015 / 9SA5-00G0
銀座4丁目のシンボルでもある和光時計塔90周年記念モデルで初めて採用された、御影石（みかげいし）をイメージしてデザインされています。
御影石は、花崗岩（かこうがん）とも呼ばれる石で、地下のマグマがゆっくりと冷やされ、地中の高い圧力によって固まったもののことをいいます。
花崗岩、理科の教科書で見た覚えがありますね！
ロゴマークなど
エレガンス コレクション キャリバー9S 20周年記念 1000本限定モデル SBGM235 / 9S66-00F0
キャリバー9Sと呼ばれる、グランドセイコー独自の厳しい規格に基づいて作られたムーブメントがあります。
そのキャリバー9Sの誕生から20周年を祝して作られたのがこのモデル。
グランドセイコーのロゴである「G」「S」と、第二精工舎（＝亀戸工場）のロゴが入っています。
▶これ、どうして第二精工舎のロゴにしたんでしょうか。
公式サイト的には「1968年にグランドセイコー初の10振動ハイビートモデルを開発した第二精工舎」とあります。
しかし、1968年には諏訪精工舎の方からも10振動モデルが出ています。しかも書き方を見た感じこっちの方が先に作られているようで、「国産初の自動巻10振動モデル」とあります。
グランドセイコーは主に諏訪精工舎の方で作っていたはずなので、やっぱり諏訪の方のロゴを入れるのが自然なように思えます。
なんで？？？
この20周年モデルは自動巻きだし、亀戸の方をあえて選んだ理由とは……？？
「グランドセイコー初」と「国産初」が別ってことですか？？
なにか、私が調べきれなかった違いがあるのでしょうか。
真実をご存じの方はぜひ教えてください。よろしくお願いします。
参考：グランドセイコーの歴史
キャリバー9S 20周年記念モデル（GMTがないので厳密には違うモデルですが、SBGM235のページがなさそうだったのでこちらから引用しました。文字盤のデザインは同じです。）
クオーツウオッチ 50周年記念 2019本限定モデル ブルー SBGN009 / 9F86-0AD0
さて、こちらはクォーツモデル！
世界に大きな衝撃を与えた「クォーツショック」の大元となった、世界初のクォーツウォッチ「アストロン」の50周年を記念したモデルです。
文字盤にはクォーツが描かれています。
メカニカル 40周年記念 500本限定モデル SBGR013 / 9S51-0030
こちらはグランドセイコー40周年を記念して作られたモデル。
ネイビーブルーのダイヤルには、40頭の獅子が描かれています！
グランドセイコーのロゴにいる獅子ですね。
4時位置、21分の辺りにいるライオンだけ他とは逆を向いており、「21世紀を見据える」という意味を込め、あえてこうなっているのだそうです。
素敵ですね！
スプリングドライブ キャリバー9R 10周年記念 1500本限定 シルバー SBGA111 / 9R65-0BP0
こちらはスプリングドライブムーブメントの「キャリバー9R」の10周年を記念したモデルです。
10周年にちなんで「十」の字をイメージしたパターンが文字盤に入っています。
文字盤全体に小さく「GS」の文字が入っていますが、10分位置（2時位置）にはグランドセイコーの獅子が描かれています。
スポーツコレクション キャリバー9F 25周年記念800本限定 SBGN001 / 9F86-0AA0
クォーツムーブメント「キャリバー9F」の誕生から25周年を祝う記念モデルです。
文字盤をよく見ると、「GS」「9F」の文字が全面に刻まれています。
ヘリテージコレクション メカニカルハイビート36000 銀座限定2022 日本限定260本 スカイブルー SBGH297
「銀座グリッドパターン」と呼ばれる、銀座の通りが交わる様をイメージしたパターンが入っています。
爽やかで胸のすくようなスカイブルー文字盤が印象的ですね。
ヘリテージコレクション メカニカルハイビート36000 銀座限定2024 日本限定530本 SBGH317
最後に、こちらは2024年に登場した、銀座グリッドパターンモデルです。
夜明け前の静かで厳かな雰囲気を醸し出すためか、先程の2022年モデルより落ち着いた青が使われています。
いかがでしたでしょうか。
沢山紹介してまいりましたが、この他にもまだまだ沢山の素敵な文字盤が存在します。
そして、写真で見ても素敵でしたが、実際に目で見て、腕に乗せてみるとまた違った感動があると思います。
中野ブロードウェイ近辺にお越しの際は、ぜひ当店にもお立ち寄りくださいね。
当店のグランドセイコー一覧は、こちらからご覧いただけます！
グランドセイコーの製造拠点を見学できるみたい
2020年7月、盛岡セイコー工業の雫石高級時計工房内に、グランドセイコーの機械式時計を製造する新施設「グランドセイコースタジオ 雫石」がオープン。
そのスタジオを見学する事ができるそうです！ すごい！
画像：https://www.grand-seiko.com/jp-ja/special/studio-shizukuishi
（2024/4現在、動画は非公開になってしまったようです😢）
セイコー好きな私としては是非見学に行ってみたいです！
予約サイトを見る限り予約はほぼいっぱいで、残り1名の枠が2022年9月26日のみのようです……😭
予約サイトを随時チェックして、今年中には見学に行ってみようと思います！
それでは倉本でした✋
加筆・修正 NY（2024/5）
