日本が産んだ高級時計ブランド”グランドセイコー”から2024年4月9日発表の新作をご紹介いたします。
グランドセイコーとは
2017年、セイコーの一コレクションから独立し、世界最高峰の腕時計を作るという決意のもと、高級志向ブランドとなって生まれ変わった『グランドセイコー』。
伝統、継承という意味を持ち、名機「44GS」をベースとしたヘリテージコレクション、機能面に特化したスポーツコレクション、ドレスウォッチを多く揃えるエレガンスコレクションに加え、新たな9つのデザイン要素を持つエボリューション 9 コレクション、「マイクロアーティスト工房」の精鋭が生み出したムーブメントを搭載した傑作、マスターピースコレクションが用意されています。
なお、どのモデルも基本的に「セイコースタイル」と呼ばれるデザイン上の決まりに則って作られているので、こだわりによっては機械式、クォーツ、スプリングドライブの3種類のムーブメントを先に決め、選ぶこともできます。
『グランドセイコー』は四季の彩りや自然界の美しさを切り取り、表現することが得意です。日本ならではの感性と技術で他にはない文字盤を作り出し、世界から広く注目されています。
エボリューション9コレクション 手巻きメカニカルハイビート36000 80HOURS
画像引用：https://www.grand-seiko.com/jp-ja/
1967年に誕生した44GSで確立したグランドセイコーのデザイン文法である”セイコースタイル”。そのデザインの理念は44GS誕生以降の後継機のデザインに於いて受け継がれ続けます。2020年に発表された新型自動巻のキャリバー9SA5の誕生に併せて、セイコースタイルをアップデートした新たしいデザインコードがエボリューション9スタイル。2021年には新型キャリバーを搭載し、新たなデザインコードを採用したエボリューション9コレクションが誕生します。
そのエボリューション9コレクションから、セイコーが50年ぶりに開発した10振動の手巻き式ムーブメントであるCal.9Sa4を搭載する2型の新作が発表されています。
日本の季節の移ろいや情景を文字盤で表現し人気を博すグランドセイコーですが、2024年の最新作では2021年に発表し世界的に評価の高い白樺（しらかば）をダイヤルに採用。グランドセイコーの製造拠点である丸雫石工房の付近は、日本有数の白樺の群生地として有名です。その白樺の樹皮を特徴的な型打ちパターンのダイヤルで表現しています。
ピンクゴールドケースの世界限定80本（うち日本割り当て50本）と、ブリリアントチタンケースを採用するレギュラーモデルの2機種を発表。
手巻き式の新型キャリバーを採用した事で、これまでの9SA5を搭載するモデルの約11ミリに比べ、ケース厚は約9.95ミリと薄手になっています。
ピンクゴールドケース SLGW002
国内外で高い人気を博す白樺を模した美しい文字盤。6時位置の80HOURSの文字の下にはインデックスにも金無垢（ゴールド）を採用している事を示すSD（スペシャルダイヤル）マークが配置されています。
ケースバックはスケルトン式で新たに開発された手巻き式メカニカルムーブメントである9SA4の美しい造りと精緻な動きを堪能する事が出来ます。
ブリリアントチタンケース SLGW003
通常のグレーの様なくすんだ色目のチタンではなく、白くて美しい輝きを放つブリリアントハードチタンを採用しています。ブリリアントチタンは通常のチタンと同様に軽量な着け心地であり、ステンレスに比べ2倍硬く傷の付き難い素材です。
白樺の樹皮をイメージした凹凸のあるシルバーのダイヤルに青焼きされたブルーの秒針が良く映えます。
新開発のCal.9SA4ではムーブメントの見た目や美しさなど造形にも拘り、雫石の自然の美しさにインスピレーションを受けてデザインされています。
ムーブメントの受けには雫石川の流れを表現したストライプ模様を施し、巻き上げられたゼンマイが逆回転により自然と解ける事の無いようにするための部品である”コハゼ”には、雫石スタジオ内にも飛来する”セキレイ”をイメージしてデザインされています。ゼンマイを巻き上げた際のコハゼの動く様はまさにセキレイが啄んでいる様な動きを見る事が出来ます。
ピンクゴールドの限定モデルおよび、ブリリアントチタンモデルともに発売日は2024年8月9日（金）を予定しているようです。両モデル共にグランドセイコーブティックおよびグランドセイコーサロンでのみのお取り扱いとなります。
スポーツコレクション スプリングドライブGMT キャリバー9R 20周年記念 世界限定700本モデル SBGC275
セイコーが開発した自動巻きとクォーツのハイブリッドムーブメントであるスプリングドライブ。
スプリングドライブとは、ローター（回転錘）の回転によりゼンマイを巻き上げ、ゼンマイが解ける際のトルクを動力に電気エネルギー変換、その発電を利用し水晶振動子を駆動させる事で時計を作動させるという画期的なムーブメントです。
スプリングドライブにはプロスペックスなどで採用される5R系、クレドールなどで採用される7R系も存在ますが、頭に9の付くキャリバーはグランドセイコー（ごく一部除く）のみに使用が許されるナンバーで、文字通り9R系はスプリングドライブで最上位ムーブメントです。
その9R系が誕生したのは2004年、2024年で20周年を事を記念し発表されたのが、この世界700本の記念モデルです。
世界限定700本ですが、そのうち日本への割り当て数は500本。発売時期は2024年7月が予定されています。
グランドセイコーの紋章と言えば獅子。グランドセイコー独特の型打ちパターンは獅子の鬣（たてがみ）をイメージ。
真っ赤なカラーは未だ夜が明けきらない夏の早朝、太陽の光が受け赤く染められた山頂の美しいひと時にインスピレーションを受けてデザイン。
画像引用：https://mgpress.jp/2023/11/25/%E6%9C%9D%E7%84%BC%E3%81%91%E3%81%AB%E6%9F%93%E3%81%BE%E3%82%8B%E5%B9%BD%E7%8E%84%E7%A5%9E%E7%A7%98%E3%81%AA%E5%89%8D%E7%A9%82%E9%AB%98%E5%B2%B3%E6%9D%B1%E5%A3%81%EF%BC%88%E5%8C%97%E3%82%A2%E3%83%AB/
金属の塊を大胆に切り落としたかの様なエッジの利いたケースシェイプは、今までのグランドセイコーには無かった屈強さを感じるデザインです。獅子の前足をイメージしてデザインされ、その前足に手首を掴まれたような装着性を生み出しています。
ケースとブレスレットには、軽快な装着性と、傷が付き難く硬質、そして美しく輝くブリリアントチタンを採用。ヘアラインとポリッシュを組み合わせる事で、高級感を感じるデザインに仕上がっています。
これまでのスプリングドライブGMTには9R86が採用されてきましたが、本新作で搭載される9R96はより高精度に特別な調整が施されています。
9R86では平均月差±15秒（日差±1秒相当）でしたが、この9R96は平均月差±10秒（日差±0.5秒相当）まで追い込まれ、高い精度を誇ります。見ての通り美しい仕上げが施された精緻な造りのムーブメントのローターには、グランドセイコーの紋章であり獅子のメダリオンが誇らしげに輝いています。
グランドセイコー マスターピースコレクション Kodo コンスタントフォース・トゥールビヨン SLGT005
2022年に発表されたグランドセイコーとして初の複雑機構コレクションである”KODO”の新たなバリエーションとして誕生した最新作を発表。
複雑機構であるコンスタントフォースとトゥールビヨンの音色（動作音）と表情から”鼓動（KODO）とネーミング。
世界限定20本、うち国内割り当て数は7本と大変希少なマスターピースとなります。
前作（右）はブラックをベースとしておりムーブメントをブラックで塗り上げる事で宵闇（よいやみ）をイメージ、今新作ではシルバー一色に塗り上げる事で夜明け前や日の入り後薄明るい空の事を指す薄明（はくめい）をイメージしています。
ケースはプラチナ950とブリリアントチタン、バックルにはプラチナ950を採用し、最上位機種に相応しい素材が採用されています。
宵闇では各軸の受け石にブラックに映える赤いルビーを使っていましたが、新作の薄命では青いブルーのサファイアをチョイスするという拘りを見せます。
時分針は中央よりやや上側のオフセンター、6時位置には時差を補正するトゥールビヨンキャリッジと均等なエネルギーを供給するコンスタントフォースキャリッジを配置。
トゥールビヨンキャリッジは1秒間に8回、コンスタントフォースキャリッジは1秒に1回のリズムで回転し、音楽で言う16ビートを奏でるそうです。
その精緻な動きをスケルトンの文字盤上で常に堪能する事が出来ます。
コンスタントフォースとはゼンマイの巻上量に関わらず常に一定のエネルギーをテンプに届ける機構。
トゥールビヨンは機械式時計の心臓部であり精度を司るテンプが重力の影響を受ける事で生じる精度の誤差を、テンプが常に回転を続けることで精度誤差を減少させるという世界三大複雑機構の一つです。
このコンプリケーションモデルの発売は2024年12月6日（金）が予定されており、グランドセイコーブティックのみでお取り扱いされます。
その他の2024年最新モデル
マスターピース コレクション スプリングドライブ 8DAY ジュエリーウォッチ 世界限定8本 SBGD215
2024年5月発売
エボリューション9コレクション 世界限定1,000本 SLGH021
2024年6月発売予定
エレガンスコレクション 初代グランドセイコーデザイン復刻モデル 世界限定50本 SBGW314
2024年6月発売予定
スポーツコレクション メカニカルハイビート36000 GMT SBGJ277
2024年5月発売予定
ヘリテージコレクション 44GS現代デザイン SBGW306
2024年5月発売予定
スポーツコレクション 自動巻きスプリングドライブGMT SBGE307
スポーツコレクション キャリバー9R 20周年記念 世界限定1,300本 SBGE305
ヘリテージコレクション キャリバー9R 20周年記念 世界限定1,500本 SBGA497
ヘリテージコレクション 62GS メカニカルハイビート36000 SBGH341
ヘリテージコレクション 62GS メカニカルハイビート36000 SBGH343
最後に
2017年のバーゼルワールドで世界進出を高らかに宣言して以降、世界中の時計ファンから注目を集めるグランドセイコー。弊店でも海外のお客様がお求めになられる事が多くなっており、スイスなどの高級ブランドに匹敵するほどのセールスを記録しています。
2024年もここでは紹介しきれないほどの新作を多数発表していますので、気になるモデルがあれば是非公式ホームページでご確認ください。
