ロレックス エクスプローラーI 114270の価格相場を検証

  • 投稿日:2024年01月22日

探検家という意味を持つエクスプローラーという名の通り、光が届きにくい暗い洞窟内でも容易に時刻を識別できる視認性の良さを追求したプロフェッショナルモデルです。

エクスプローラーの歴史

本題の前に、まずは簡単に歴史をご紹介します。
初代モデルは1953年に誕生。同年にはこれまた今でも人気の高いサブマリーナーの初代モデルRef.6200も発表されています。
初代とされるRef.6350に始まり、同1953年にRef.6150、翌1954年にRef.6610、1963年にRef.1016、1988年にRef.14270、2000年にRef.114270、2010年にRef.214270、2021年にRef.124270、そして最新モデルのRef.224270は2023年に発表され、これまでに9つのモデルがラインナップされています。

この写真でお解り頂けますが、馴染み深い369のシンプルなスタイルの文字盤は、初代から受け継がれている事がお解り頂けると思います。初代から完成形に近いデザインであったと言えますね。
ロレックスのプロフェッショナルモデルの中でも、シンプルが故に定価自体も抑えめで展開されます。比較的流通量も多いモデルでもあるので、相場の乱高下が少ないモデルですが、ここ数年来の時計市場の相場高騰に伴い上昇傾向にあります。
そこで今回は9型ある中から、5世代目にあたるRef.114270フィーチャーして販売・買取価格相場についてご説明させていただきます。

114270について

14270の後継機として2000年にリリースされた5世代目にあたる114270。14270と共に日本におけるエクスプローラーⅠ人気を決定づけたモデルと言えます。

3・6・9時のアラビア数字インデックス、3針のみの必要最少限の機能というミニマルなデザインは、カジュアルなスタイルはもちろんビジネスシーンでのスーツスタイルなど、シーンや装いを選ぶことなく着用できるデザインが魅力です。
ケース径は1016や14270と同じく36ミリで、1990年代後半からの大型化が進む時計界の中では、かなり小さく感じられますが日本人の細めの手首周りになじみやすいサイズ感です。大きくも小さくもない絶妙なサイズ感は、男性はもちろん女性にも人気が有ります。
また前期種である14270は、1997年の『ラブジェネレーション』や2001年の『HERO』など大ヒットドラマの劇中で、木村拓哉さん扮する主人公が着けていたことで爆発的な人気となったのも記憶に新しいです。高級時計に興味の無かった多くの方をも虜にしたモデルとも言えます。
誕生から20年以上経った現在でも常に高い人気を維持し、定番アイテムとしての人気を確立しています。

前機種14270からの変更点

王冠マークの透かしがサファイアガラスの6時位置に施される

コピー品防止?のためサファイアガラスの6時位置にはロレックスの王冠ロゴの刻印が施されています。この透かしが出た当初は随分と話題になりましたよね。

新キャリバーCal.3130への変更

巻き上げヒゲやツインブリッジの採用など、メンテナンス性の向上や精度の安定化が図られた新型ムーブメントであるCal.3130へと変更が行われました。

114270での仕様違い

製造期間は2000年から2010年初めまでの10年間と、ロングセラーモデルの多いロレックスの中では比較的短い期間の製造となります。
比較的短命とも言える型番であった為、他のモデルの様なマイナーチェンジや仕様変更は少なく、同じ型番でも大きな価格差が少ないですが、以下の点が販売と買取の価格に差を生みます。

ルーレット刻印の有無

ルーレット刻印とは文字盤と文字盤内部のインナーリング(見返し)部に、ロレックスの王冠ロゴやROLEXという文字、シリアルナンバーが刻印された仕様の事を呼びます。
こちらの写真は2005年製造のシリアルD番となり、インナーリング部分にルーレット刻印が施されていません。

次に、こちらの写真は2009年製造のシリアルV番で、インナーリング部分にROLEXの文字が刻印されている事が解ると思います。

ルーレット刻印は2004年以降に発表された新作に採用され、それ以前からあるモデルは2006年の途中頃から順次採用された仕様です。Ref.114270ではZ番の途中から見られ様になり、同じZ番でもこの刻印のある方がより高価となります。

国際保証書(ギャランティ)の仕様の違い

次に保証書の仕様違いですが、Ref.114270の場合は3種類の保証書がございます。2006年の途中までは紙タイプ、2006年途中からカードタイプへと変更されています。

紙ギャラ2種類では価格に差はほぼ有りませんが、カードギャラの場合は高価となります。
ギャランティが切り替わる時期にあたるZ番には紙もカードも存在しており、同じZ番でももちろんカードギャラの方がより高価となります。

114270の販売・買取相場の目安

※いずれも保証書があり良コンディションの場合の目安です(2024年1月現在)

シリアルナンバー:P、K、Y、F、D、Z(ルーレット無し)
買取相場:600,000円前後
販売相場:900,000円前後

シリアルナンバー:Z(ルーレット有り)、M、V

買取相場:650,000円前後
販売相場:950,000円前後

シリアルナンバー:G、ランダム

買取相場:800,000円前後
販売相場:1,100,000円前後

2018年頃の買取相場に比べ全体的に約10〜20万円ほど上昇しております。
G番以前のシリアルでは80万円前後でも手にする事ができますが、G番とランダム番の場合は100万円を超えてきます。
ギャランティが無い場合ですと10〜15万円ほど安く手にする事が出来ます。
しかし前述の通り急激な乱高下が少ないモデルで安定した人気があり、ダイバーズウォッチの様にシーズンで差が出るという事も無いので、いつでも大きなブレも無く売買出来ると思います。
また通常のモデルでは369のインデックスにホワイトのエナメル塗料が塗布されていますが、2009年製のV番にはブラックのエナメル塗料が塗布されるブラックアウトが存在しますが、流通する量は極めて少なく、市場で目にする事は極めて稀です。

114270購入の狙い目モデル

114270を買うならどれが良いか?を検証します。
2018年頃だと販売相場は50万円前後でも手にする事も出来ましたが、2024年現在の販売相場は80万円前後、シリアルナンバーが後期のG番かランダムで110万円前後〜130万円程度が目安です。
114270を買う場合の狙い目をザっと挙げてみますが、より新しめのシリアルナンバーや仕様が高価な傾向にあります。

将来的に資産価値の上昇を求めるなら

シリアルはG番かランダム番

ロレックスの多くのモデルでは、新作が発表された年にディスコンとなったモデルは生産数が少なく、他のシリアルナンバーに比べ人気が高く高額になる傾向にあります。
114270の場合は2010年初頭に214270が発表された事で同年でディスコンが確定し、2010年が製造年にあたるG番とランダム番のが最終シリアルにあたります。

カードギャラ+ルーレット刻印

ルーレット刻印が有り、且つカードタイプのギャランティ

実用性にこだわり値ごろ感を求めるなら

シリアルナンバーはP~Z番!

時計は使ってなんぼでしょ!という方には、比較的手ごろな価格相場といえるPからZのルーレット刻印無しで紙ギャラが狙い目です。保証書が付いていても70万円後半から80万程度で手にする事が出来ます。高額化に拍車が掛かるロレックスの中ではとてもリーズナブルだと思います。とはいえ、ロレックスの資産価値は他を圧倒するものがあるので、将来性ももちろんございます。

まとめ

114270の仕様による価格の違いはいかがでしたでしょうか。価格に差の出るポイントはルーレット刻印の有無とカードギャラか紙のギャラかです。
ロレックスは同じ型番であっても、製造された時期などで微細な相違点やマイナーチェンジが行われる事も多いのも面白い所ですよね。
その微細な相違点によって買うときも売る時も違いがあるのが、他のブランドには無いロレックスの魅力とも言えるでしょう。
ポイントを知っておくと売却の際はもちろんの事、購入の際にも比較検討に役立つ事と思います。

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